伊豆大島の移住。生活は? 移住を考えている方へ

伊豆大島

不便が苦痛だとツライ

大島は東京から高速船で1時間45分。リモートワークする人も増えてきて、田舎移住を希望する人の選択範囲に入ってきたように思います。とは言え、暮らすとなると便利に暮らしてた都会とはちがう不便さに慣れないと難しいかもしれません。

居住地域は大きく分けて船の出帆港がある島の北部(元町、岡田方面)と南部(差木地、波浮港方面)になります。私自身が南部で育ったので、どうしても南部側から見た目線になってしまいますが、基本的には健康で娯楽がなくても自然環境を楽しめる人であれば、どの地域に住んでも大丈夫

それでも島の生活に向いてない人もいるので、あえて挙げてみました。裏を返せば、これに当てはまらない人は向いてます!

  • 車の免許と車を持ってない人。電車はなく、バスは1時間に1本。車社会です。車のナンバーは品川になります。
  • 虫が苦手な人。自然豊かな分、虫も都会より大きいです。益虫ですが、見た目がグロテスクなアシタガ蜘蛛に家の中で遭遇します。ムカデもよく出るし、民家の庭では見ないですが、夏場のヤブの中にはマムシもいます。やぶ蚊も大きくて、春先には飛んでいたりします。夏場になるとクワガタが明るい電球の下に飛んできたりもします。
  • キャッシュレスで生活したい人。島は基本的に現金社会です。バスやタクシーでスイカやクレジットカードも使えないし、一部のスーパーを除き買物も基本現金で支払います。そのため、定期的にATMに行く必要があり、そのATMも数が限られていて、車で行かないとって感じになります。
  • 人とコミュニケーション取るのが苦手な人。良くも悪くも村社会です。人口密度が低いので、誰も知り合いがいない状況だと孤独になりがちです。

選択肢は少ないが、働く先はある

伊豆諸島全般に言えることですが、過疎化が進み、私が子どもの頃は1万人を超えていた人口が今は7,316人(令和3年7月末現在)だそうです。昭和の離島ブームで観光が賑わっていたことをうっすら覚えているので、当時と比べると随分と寂しくなりました。

原因の一つには私自身もそうであったように、高校を卒業するとほとんどの子が島から出ます。進学か就職を選びますが、島は就職先が限られ、大学はもちろん専門学校もありません。また今のように、高速船もなく、4時間かかって東京に出ていたので都会への憧れもあったと思います。

インターネットもなかった時代は情報がテレビ、新聞(朝刊と夕刊が午後一緒に届く)しかなくごく限られた範囲で暮らしていました。女子も男子も当時は進学するより、就職組が多かったです。

女子は結婚して嫁ぎ先の元で暮らすパターン。離婚して戻る子が数人。男子は島で就職の子もいましたが、全体的には少ないです。

働き先は、観光、土木、水産に頼ることが多いですが、島の人からの口コミ情報で他にも色々。島内のスーパーや販売店の入口に求人情報が貼られていたりします。ジェットホイルの座席ポケットにも求人情報がありました。

最近は移住した若い世代の人が新しい試みをしているのを見聞きするようになりました。

もしかしたら、今までとは違う雇用が生まれる可能性があるかもしれません。

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一番ネックなのは病院

  • 昔は島の北部、南部にも診療所がありましたが、今は元町の大島医療センターの1つしかありません。車がないと非常に不便です。自分で運転できるうちはまだいいのですが、高齢だと家族の送迎が必要で、それもなければ誰かの車に相乗りか社協の車を予約、受信日や曜日が合わなければ1時間に1本のバスかタクシーしか足がありません。せめて南部にも月1回でも巡回診療してくれれば良いのにって思います。
  • 診療科は内科、小児科、整形外科が中心で、眼科や泌尿器科は本土から往診を頼むため月に1回です。その間に不調があっても、内科で薬を出してもらうなどの対応、もしくは市販薬でしのぐことになります。大島では手術をすることができないので、妊婦の帝王切開も東京になり、緊急の場合はドクターヘリで運びます。若いうちは高速船に乗って熱海や東京の病院にかかることもできますが、高齢になると交通費もかかるし、なかなか難しいと思います。
  • 歯科医院は北部、南部ともにあるので、選べます。

買物は何とかなる

  • 大きいスーパーは北部の元町に集中しています。一番大きいスーパーがべにや。クレジットカードも使えますは大島以外の伊豆諸島で取れた物もあり、東京より安く新鮮なものが売っています。南部には個人商店があり、やはり車で買い物してます。どの店も夜7時には閉まるところがほとんど。輸送費がかかっているので物価は定価かやや高めですが、島の北部と南部でも若干差があり、南部のほうが高いです。でも島で取れるものは安いですよ。
  • コンビニはありません。個人薬局はありますが、ドラッグストアはないです。
  • 南部にはお菓子屋さんはないので、誕生日ケーキを買おうと思ったら、元町まで行かないと買えません。
  • 自動車販売店あります。潮風で劣化も早いので、中古車で十分です。
  • 携帯電話はdocomoとauは元町に支店があります。民家があるところは繋がるので問題はないですが、島の人はdocomoユーザーが多いです。

衣料品も選ばなければ揃う

ユニクロのような店舗はありません。昔ながらの衣料品店と日用品や雑貨と一緒に販売されてる店があります。

南部にはないので、元町まで買いに行きます。若い人はネットで買えるし、東京に行った時に購入するので困らないと思いますが、お年寄りは島外の子どもや孫から送ってもらう人もいます。通常だと別料金が発生するところがアマゾンプライム会員になると島でも送料無料で届くのでほんとに便利。

島の衣料品は普段着が中心で、流行を追うような服は見かけないです。まぁおしゃれして出かける場所もないので、必要ないといえばそうなのですが。島で一番お金をかけなくて済むのは洋服代だと思います。

島民か観光客なのかを印象で見分けるには洋服によることが大きいです。都会とちがい、洋服に見栄を張らなくていいのはすごーくラクです。

そんなに安くはない住居費

民間の賃貸マンション、アパートは数が少ないです。家賃の安い町営住宅はありますが、収入条件があります。

土地価格は安いのですが、それに対して民間は家賃が安いとは言えません。4、5万は普通にします。この古さでこんなに?って思ってしまうかも。

過疎化で戸建ての空き家が増えていてリノベーションして住む人もいます。

もし住むなら、便利さで言うと大島の中心地元町が一番です。徒歩圏内にスーパーや病院、銀行、町役場、温泉、図書館もあるので自然を満喫しながらも一通りの生活ができます。取り合えずのお試し移住なら元町が暮らしやすく、慣れやすいと思います。

娯楽施設は少ないけど安い

  • テニス、卓球ができる大島町勤労福祉会館があります。テニスは一人1時間150円、都会では考えられないほど格安です。ボーリングも1ゲーム300円。貸靴無料。軽食「しゃぼんだま」もあります。ここのお弁当はボリュームがあって美味しいです。
  • 伊豆大島リゾートゴルフクラブがあります。眺めも素晴らしく料金も平日は1万円以下で楽しめます。
  • 元町に町営の温泉「浜の湯」、プールもある「愛らんどセンター御神火温泉」があります。
  • パチンコ店が差木地、元町、北の山にあります。
  • TUTAYAのようなDVDレンタルショップはないです。
  • 本屋さんは元町にありますが、今現在はわかりません。わかったら情報更新します。南部には澤田商店でマンガ、雑誌類が売っています。
  • 元町に図書館あります。南部には移動図書館が来てくれます。

理容院・美容院について

北部、南部の居住地域には理容院、美容院どちらもあります。選べるので、困ることはないです。

方言について

強い方言はないので、馴染みやすいと思います。

大島でも北部と南部では若干ちがう気がしますが、よく言うのは「ずら」。相槌を求める時には「そうずら~」と使います。

ずらと同じくらい「でぇー」「べぇー」もよく言います。言葉の語尾に「でぇー」と「よ」も付けて、あんでぇーよ(あるでしょ)、ないでぇー(ないでしょ)、行くべぇー(行こう)とか・・・。

あと島以外のことを内地と言います。年代にもよるかな。(因みに20代の息子に言ったら通じませんでした・・・)

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